都立九段高校の閉校式

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あざみ野へ帰る道すがら九段高校の前を通ったら閉校式の看板があったので写真に写した。九段高校は市立第一中学校から始まり都立九段高校になって日比谷高校に次ぐ名門校として栄えたが、「千代田区立九段中等教育学校」として中高一貫校となってその幕を閉じた。

都立高校は小尾教育長の行った学校群制度の厳守により衰退の一途をたどり、麻布や開成等の中高一貫私立校に東大などの有名大学への門戸を閉ざされて来た。その対策の一環として中高一貫校となったのだと思う。思いつきみたいな対策で本当の教育が出来るのだろうか。公立高校が実質的に優秀な卒業生を輩出出来る体制が教育の機会均等の立場から言えば一番望ましいことだ。授業料の高い私立高校へ行かなければ東大等へ入れないのでは均一平等を旨とするわが国の教育理念からしてもおかしい。

そもそも均一平等の教育理念がわが国の高等教育の国際競争力を低下させている。文部科学省は高校までの教育を担当し大学の教育には一切タッチしないで「大学の自治」で自由にやらせた方が国際競争力がつくのではないか。追いつき追い越せ時代の均質でそこそこ優秀な市民を作り出すノウハウ(それさえも今や怪しくなっているが)だけでは世界の大学間競争の音頭取りは出来ない。

文部科学省の一体どの位の人がハーバード大学、オックスフォード大学、ケンブリッジ大学やMITなどの世界一流の大学で学んで来ているのだろうか。敵を知らないで競争戦略は立てられない。これでは老子を待つまでも無く「百戦全て危うい」のだ。

今では日本の大学を出ただけでは東大や一橋大学の教授にはなれない。殆どがアメリカのアイビーリーグの大学や大学院を卒業して初めてこれらの大学の準教授などになれる。文部科学省の手の内からは一流大学の教授は既に出せないのだ。文部科学省は事実上大学教育のリーダーから降りるしかないのだ。

1件のコメント

  1. イヨ

    留学なら学界でもありますが、官界でも一流ドコロへの枠があります。ところで、旧文部省以来、入省者には筑波大出身が多いのですが、むしろそっちの方に何か問題があるのでは? 小尾氏も東京高等師範、美濃部元知事も高等師範附属中学出身と来てますから、どこか一流になりきれないインナーサークル的な体質、これは国労とか旧軍などにも相通ずる旧弊的な体質に問題があるのではないでしょうか。

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