PHP出版の「トンデモ!韓国経済入門」を読んだ

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本屋でふと目に止まったので気軽に「トンデモ!韓国経済入門」を買った。今までにもマンガの「謙韓流シリーズ」や渡辺昇一の韓国に関する本はある程度読んでいた。

また日本からの技術流出についても家電などの技術者が土日の休みに韓国へ招待され、虎の子の技術を「雀の涙ほどのお金」と「キーセンの魅力」に抗せなくて垂れ流しているとの噂はそれとなく聞いていた。これを受けてさすがに脇の甘い日本企業も技術者のパスポートチェックや秘密保持契約等を強化した話も聞いている。日本の企業の技術者に対する待遇が悪いからだとの技術者に好意的な意見もあった。この本を読んで見てそんな次元の話ではないことが良く分かった。

この著者はまず冒頭で韓国の企業・民族の行動特性を3つのキーワードで表現している。

1.模倣的(知的財産権無視)

2.刹那的

3.日本隠し

まさかと思われる言葉が並んでいる。2を除くと思い当たる節はあるが「刹那的」の意味と歴史的背景はこの本を精読するまで全く分からなかった。大きな収穫だ。中国の理解にも大いに役立つ。

韓国との国交正常化時期「日韓基本条約」締結により無償資金協力3億ドル、有償資金協力2億ドル、さらに3億ドル以上の民間資金が韓国へ提供された。当時の韓国の国家予算は4億ドル弱だった。無償資金協力3億ドルの内いわゆる戦時補償に充てられたのはわずか5%ほどだ(元々日本と韓国は戦争などはしていない)。95%が道路、上下水道、ダム、電力、鉄道などの社会インフラの構築に充てられ「漢江の奇跡」とも呼ばれ今日の繁栄の基になった。しかしこれは奇跡でもなんでもない。日本のお陰なのだ。

これらの無償、有償の資金協力による社会インフラの構築はほとんどを日本企業が請け負っている。いわゆる「ひも付き援助」である。

欧米から日本の「ひも付き援助」に対する批判が欧米から時々ある。しかし現実は欧米が行った「ひもなし援助」は資金の使途を限定しないので現地の支配者が私腹を肥やしたり、武器を買うお金に化けてしまい紛争を拡大して大変なことになっているのが現実だ。「ひも付き援助」では主導権が援助国にあり現地の指導者の恣意が排除させるからだ。欧米もやっと気がつき始めたようだが・・・

「トンデモ」の3つのキーワードの事例の一端をご紹介したい。多すぎてごく一部しか書けない。

1.模倣的(知的財産権無視)

デザインや著作、映画、ゲームソフトなどで模倣は無数にあるようだ。日本のおばさん族を風靡した韓流ドラマ「冬のソナタ」にしてからが日本の成人向けゲームソフト「君が望む永遠」のプロットのデッドコピーで、男と女を入れ替えただけだ。

韓国人は「著作権侵害」という言葉そのものを知らないそうだ。従って韓国ではオリジナルなコンテンツを作っても評価されない。大変な産みの苦しみをしてコンテンツを作り出すクリエータが激減しているようだ。その結果が韓流ドラマ・映画の輸出の劇的な減少である。06年度で韓国映画の輸出は68%も下落し、特に日本向けは82.2%も減少している。

■パクリの事例(名前までそっくりの脳天気だぶりだ)

・アニメーション・映画の分野 表示は韓国名、カッコ内は日本の原作名

少年アトム(鉄腕アトム)、トンチャモン(ドラえもん)、テコンV(マジンガーZ)、宇宙戦艦亀船(宇宙戦艦ヤマト)、挑戦者ハリケーン(明日のジョー)、スペースガンダムV(スペースガンダム)、ドラゴンボールX(ドラゴンボールZ)、パワーモンスター(ポケットモンスター)、誘惑のソナタ(ファイナルファンタジー)などなど

・製品の事例(お菓子から車まで)

マイチュウ(ハイチュウ)、FIBE-MINI(ファイブミニ)、えびかん(かっぱえびせん)、十七茶(十六茶)、ペペロ(ポッキー)、チョコきのこ(きのこの山)、現代自動車「ソナタ」(ホンダのアコード)、ルノーサムソン「SM7」(日産のティアナ)、現代自動車「サンタフェ」(日産のインフィニティFX) この他にイチゴの「とちおとめ」や銘柄米など多彩。

結果著作者が激減し韓国の小説・映画は面白くなくなり、小説では半分以上が日本人の著書の翻訳を読んでいる。「日流」と言うそうだ。

2.刹那的

明日の命がどうなるか分からない状況に置かれると人は刹那的になるものらしい。韓国も長らく大陸の脅威にさらされ明日の命の保障は「貢ぐ形」でしかもたらせられなかったようだ。この様なDNAが韓国をして刹那的にしているのかも知れない。今「土地投機」や「株式投機」などで表面化している。

3.日本隠し

(1)無償資金協力3億ドル他の提供

国交正常化時期「日韓基本条約」締結により無償資金協力3億ドル、有償資金協力2億ドル、さらに3億ドル以上の民間資金が韓国へ提供された事実は隠されている。

(2)浦項製鉄所建設

1970年から3年の歳月をかけて日本の資金と日本の技術者の血と汗ににじむ全面的な支援により完成された。ところが、なんとこの製鉄所の開所式には日本人は一人も招待されず「韓国独自の技術で建設した・・・」の文字が誇らしげに新聞の第1面を飾った。

■韓国産業のビジネスモデル

1.差別化の難しいコモディティ化した製品に莫大な投資をして競合を圧倒する(サムスン電子のDRAMの事例)。

2.フォロワーとして他社の模倣と低価格を武器として製品を売り込む(ほぼ全ての業種)。

■韓国産業事情

船舶の建造で06年世界1の実績(日本との差はわずか)を誇るが受注では日本の3倍。建造に2,3年かかる船舶では多くの受注は為替リスクや原材料の値上がり、人件費の上昇の大きなリスクがある。対策として韓国の造船会社は為替リスクヘッジのために多額の外国為替の予約をしている。銀行は外国銀行からファイナンスでドルを借り・国内での運用のためにドルからウォンへの両替が巨額になり、ウォン高が継続的に起きている。これが他の産業の競争力にも打撃を与えている。

今の韓国経済を一言で言えば「サンドイッチ状況」と言われている。何時までたっても追いつけない日本の高度技術と、ひたひたと迫ってくる中位・汎用技術での中国の追い上げである。「あと何年でキャッチアップするかの秒読みに入った」と中国では見ている。

1件のコメント

  1. 串田昭治

    安藤さん。初めて読ませていただきました。相変わらずの博識知識吸収力ですね。日本の戦後も欧米の物まねでモンキージャパンと言われ発展した経緯がありますね。基本は模写から始まるのも芸術です。しかし今は韓国のグローバル化に遅れを取ってしまい、いずれ中国にも後塵を拝するのではと心配です。経営者の意識改革と学校教育の改革(人間力育成、人材育成等)が必要と感じるこの頃です。政治家はどうしようもありませんが。

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