OECD 学力テストPISA1位の成績を上げるフィンランドの教育

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NHKの番組でOECD 1位の成績を上げるフィンランドの教育を見た。教育大臣を務めたオット・ペッカー・ヘイノネン氏へのインタービューが中心だった。

番組タイトルとヘイノネン氏のプロファイル

ヘイノネンさんは1990年に29歳の若さで教育大臣になった。彼は教育から新しい産業が興り、教育は投資であると考えていた。それまでは日本と同じ様にトップダウンの教育理念があり、国が全てを決めていた。彼はやり方を変えた。全く反対のボトムアップの方式に切り替えた。教育の現場に大いなる裁量権を与え、一定の到達目標を国は示すだけにして、教育の内容と方法については現場に全て任せた。彼が最も重視したのは以下の2点だ。

1.「現場への自由裁量の増加」⇒責任感とやる気の向上⇒モチベーションが生まれる。この様な「+の循環」が生まれ、先生が最も尊敬される憧れの職業になり、教育大学の志望者は定員の10倍になり、優秀な先生が確保された。

2.情報を読み解く力の育成

コンピュータを全ての学校に配置して教育に活用した。情報リテラシーとしてコンピュータの操作能力を上げるのではなく、教育そのものにコンピュータを活用した。「情報を読み解く力の育成」を強力に推し進めた結果、OECDの学力コンクールで読解力1位になった。ちなみに日本は14位。

多くの面でわが国の教育とは正反対の行き方が行われたことがわかる。日本では29歳の教育大臣はありえないし、官僚主義の国でボトムアップの教育もありえない。その結果日本の学力はOECDで下位にランクされるようになった。最近は「いじめ」が教育の主要な話題であるが、これは文部科学省の理念のない教育の結果であり、根っこに手を入れないで、「皮相的ないじめ対策」を行ってもなんら根本的な解決にはならない。子供達の力のベクトルを建設的な方向(学力・知力・問題認識力・解決力・体力の向上)に向かわせることが出来ないでいる教育当局の無力の結果だ。基礎教育の段階で「ゆとり教育」などありえない。子供も先生も共にだめにした。

昔は超大国ソビエトの隣で内政にも干渉されているらしい様子を「フィンランド現象」などといって馬鹿にしていたが、今や携帯電話首位の座もノキアに取られたままで、OECD教育ランクでも下位に沈む日本は「日本現象」と言われても仕方がない状況にある。

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