「人の行く裏に道あり、花の山」

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「人の行く裏に道あり、花の山」

(株取引の極意を説いた諺)

先日のセミナーで松井証券の松井社長から話を聞いた。彼こそは独自の発想で,大蔵省の護送船団方式に慣れて思考停止に陥っていた証券業界において次々と新機軸を打ち出して松井証券を甦らせた立役者だ。

彼の言われたフレーズで気に入った部分だけを羅列してみたい。 本人の意に反する部分も有るかもしれないが我慢していただきたい。 ブログの趣旨に反するかもしれないが斜め読みしてみてください。松井さんはすごい魅力のある人物です。

松井証券のURLhttp://www.matsui.co.jp/

■52歳そろそろリタイア「成功は失敗の元」

■1995年社長就任 10年経った

15,6人の会社利益 2百数十倍

売上 3百数十倍 

売上の60%ブローカーとしての取り扱い金額(当時)1千数百億円/年 ⇒今は一日の取扱量

20兆円/年 昨年の実績

■経営判断

・正しかった決断⇒捨てる(-)決断

・間違った決断 ⇒加える(+)決断

捨てるのは大変⇒捨てることの(-)は計算できる。

■インターネット取引

「お客は年寄りが多いんだ。株には(インターネット取引)はなじまないよ」の声が強かった。そこでコールセンターを拡大。受けは電話でインプットはセンターで代行(1998年)の方式を当初は考えた。  ↓これもアメリカを見て止めた。インターネットONLYにした。中途半端は全て駄目。

■松下幸之助の言葉(執念と主体性)

「執念あるものは可能性から発想する。

     執念のないものは困難から発想する。」

■日本郵船で11年間仕事をした。

バブル期 野村證券は5,000億円/年稼いだ。4年間で2兆円儲けた。当時証券業界は金が降ってきていた。日本郵船は幾ら働いても儲からなかった。「こんなことは続かないぞ。バチが当る。」と思っていた。

■船員の給与

日本人船員:外国人船員=100:1

バングラデシュでは船員はエリート(質が良い)

日本郵船船籍660隻で日本人船長は40人のみ。他は全部外国人船長

■実業と虚業

「実業」と「虚業」との区別を知った。

お客様が認めたコストで成り立っている業務⇒実業

 虚業コストを実業コストに変えるのが「リストラクチャリング」である。

松井証券で「外交セールスはやらない」と宣言したら、みんな自分から辞めていった。「リストラクチャリング」の手間が要らなかった。

■コスト

・人件費その他いろいろある。

・企業にとっての最大のコスト(リスク)は『時代とのギャッ プ』である。

日本では管理者レースと社長レースを同じトラックで行っている。副社長まではこれでも良い。社長は全く別物である。

■社長の決断

 やってみないと分からないもの、しかもしばらく経ってみないと結果の出ないものを今決断するのが『社長の決断』である。 反対の結果出たら社長を首にする取り決めが予め必要である。これが出てきたら社長も役員も辞める。これこそが「コーポレートガバナンス」である。Cf.松井証券・・・今30%のROEが10%を切ったら社長は首。

■「個」の時代

・会社は永遠のもの。個人は会社に忠誠を尽くし、個人は会社が守ってくれる。

・今や個人あっての組織 N,Oがいたから巨人ファン(その逆ではない)

・従来は会社30年説⇒今は3年説「働いた結果としての給料」

■松井証券のプライド

 1億5千万円/年・人の利益

 7,000万円/年・人の税金を払っている従業員のプライド

・儲からないと駄目・というか頑張らないで下さい。「頑張らないで」→「仕組みを考えて」

■パラダイムの変換

 『天動説(サプライ中心)』⇒『地動説(お客様中心)』 人を増やさず別の方向を向いて、利益を出す方法を考える。 「仕組みを作って」支持されて儲かる

・お客様にとって得で、自分(業界)が損する仕組みが大切。

■大切なこと

・『自分で考えて(独自に)自分でやる』

                        以 上