彼岸の墓参りを兼ねて伊香保温泉へ行った。九段を立って飯田橋から高速で外環で三郷へ向かい水戸ICで降りて墓参りをした。雨が多少降っていたが焼香の時は幸い止んでいた。湿っていたので線香の付きが悪かった。久しぶりだ。不在を両親に詫びた。
また水戸インターへ戻り、北関東自動車道、東北自動車道、関越自動車道を乗り継いで渋川伊香保インターまで行った。結構遠かった。
途中水沢観音へ寄った。仏像や仏画の展示されている美術館風の建物があり、無料だったので入った。内容は充実した素晴らしいものだった。どのような経緯でこんなに沢山の仏像がここに眠ることになったのか不可思議だ。
チェックインまで時間があったので旅館へ行く前に竹下夢二記念館へ行った。雛稀な立派な洋館で、直ぐにギヤマン館の説明が始まるというのでそちらへ参加した。シニア女性ばかりの団体と一緒だった。ガラス器が沢山揃っていた。カットグラスの電灯のガラスシェードが綺麗だった。飾ってあった椅子も象嵌で立派なものだった。相当の目利きがかかわった結果だと結論づけた。
次いで竹下夢二の絵画やデザイン、デッサン、手ぬぐいのデザインなど今見てもセンスが新しいと思った。時代をはるかに超えた素晴らしい才能の持ち主であることが見て取れた。今まではあの独特の美人画の姿態と顔で何となく厭らしいとの印象が強かったが、完全に見直した。誇張して言えば「日本の生んだレオナルド」というところかな。歌も作っているのでこちらの方が上かな?
次いでオルゴールの実演を聞いた。竹下夢二の「宵待ち草」は2度演奏した。ドイツやスイス製の古いオルゴールで、大型のディスク音盤は素晴らしい響きを残した。高音が特に綺麗だ。グノーとシューベルトの「アベマリア」を別の機械で演奏した。圧倒的にシューベルトの「アベマリア」が美しかった。この様に並べて聴く機会は多くはないがこれではグノーがちょっと気の毒だ。この記念館には約1万6000点の夢二作品を所蔵し、常時300点以上を展示しているそうだ。この種の記念館や美術館で初めて感動を味わった。又来てみたいと思った。箱根に数ある美術館にも引けを取らない。一押しの記念館だ。
又車に乗って旅館へ急いだ。駐車場から玄関まではケーブルカーで上がる。40度の急こう配だ。まだ明るかったので有名な「石段」へ行くことにした。そこでわかったのだがきょうは伊香保のお祭りだった。
神輿が2台揃っていた。子供用の神輿も数台あった。階段のところどころに場に矢板が打ちつけられていた。相当激しい祭りの様子だ。何時までも始まらないので近くにいる人に聞いたら6時からだと言う。6時になっても始まらないので別の人に聞いたら7時からだと言っていた。7時から旅館で夕食の予約をしていたので残念ながら神輿を担ぐ所は見られなかった。子供神輿の女の子は色気たっぷりだった。
テレビにも出た料理の鉄人シェフの料理は素晴らしかった。地産の野菜の扱いが素晴らしい。生ビールと地元産の吟醸酒を沢山飲んだ。
風呂に2回入って寝た。久しぶりに和室の布団で寝た。煩いが決して悪くもない。眺望のよい旅館と聞いていたがオズモールで安く来たので2階になってしまいそんなに眺望は良くなかった。温泉を引いた部屋もあったそうだがそちらの方が良かったのかも知れない。まあ後の祭りだ。旅行は全て試行錯誤の連続だ。良いことも悪いこともないまぜだ。