ポンペイは2度ほど行っており、超熱いので行きたくなかったが妻が初めてでどうしても行きたいとのことだったので、灼熱のポンペイへ行くことにした。ナポリ中央駅までバスで行き、ベスビオ循環鉄道でポンペイまで行った。35分ほどだった。落書きだらけの汚い車両で、冷房もないので結構熱く不快な乗り物だ。ただし庶民の観察にはもってこいだ。まるで別のイタリアのごとく下層階級の人達で一杯だった。観光客を除いて多分まともなイタリア人はこの時期にポンペイへは行かないのではと思った。
ポンペイへ着いて駅前で凍っているミネラルウォーターを2本買った。2ユーロだ。凍ってなくとも1本1ユーロで売っていることが多いので割安だ。案の定遺跡の中は灼熱の砂漠状況で、皆が日陰を求めて壁に張り付くようにして歩いていた。樹1本もないので体中の水分が蒸発して行く感じだ。
最後に秘儀荘まで行くことにした。外側の山道を歩いたので登りが多く木陰がなく遠くてさらに道も悪くて実に大変だった。大分疲れた。行ってみると大したことのない建物でがっかりした。ここから出口までの路が遠かった。出口が来た時と別のポルトでレストランは沢山あったがどこも満員でもうけ主義が見え見えだった。坂道を登って駅まで行ったら3軒の感じの良いレストランがあったのでそこで昼食にトラメッジツイーノとパニーノを食べビールを飲んだ。これが実に美味しかった。
これも妻の希望でそのまま帰らずにソレントへ行った。ソレントは立派な避暑地で高級ホテルが軒を連ねていた。街一周の汽車(勿論車でけん引)に乗った。ポルトまで行き、細い路地もみな回った。何しろお洒落な街なので結構楽しかった。
帰りはポートから船でナポリへ帰ることにしていた。街一周の汽車に乗って分かったのだがこの町はポートから見て非常に高いところにある。船に乗るためには大変急な坂道をかなりの距離降りて行かなければならない。疲れていたのでポートまではバスで行きたいと思い何人かの人に聞いたがハッキリしない。いい加減な答えが多いのだ。困って広場にたたずんでいたら椅子に座っている老人がいたので、再度聞いたらすぐ前の教会の前から出るとのことだった。バスを待っていたら直ぐにタクシーが通りかかったので手を挙げて止めた。最初8ユーロと言っていたが5ユーロで折り合った。多分ポートへ行く予定だったはずだ。
ソレントからナポリまでは高速船で40分ほどだ。ベスビオス火山を右に見ながら航行する。快適な時間だ。7時半を回ってナポリに着いた。
旅ガイドの本でお勧めの店「チーロ・ア・サンタ・ブリジーダ」へカーナビ「ガーミン」を使って行った。ちょっとわかりづらい店だった。店に入ると沢山の人が入っていた。管理能力を超えた来客でカメリエーレの目が吊り上っていた。どこへ座ればいいか聞いたら階段の手すりのすぐそばのテーブルを指差した。感じ悪いから窓際の席を指してOKか聞いたらOKとのことだったので窓際に座った。隣の席も日本人だった。他にも沢山の日本人がいた。一般の店でこんなに日本人が多いことはない。旅ガイドを見てきたのだと思った。パレルモでも旅ガイドおすすめの店でひどい目に合ったので、この店はやめることにして出た。隣の席の日本人も何も食べても飲んでもいなかった。手が回らないのだ。一般に日本人の多い店は駄目だ。
ホテルへ帰りシャワーを浴びて、一休みしてからホテル内のレストラン「R」で夕食を食べることにした。安くはないがほどほどの値段で、どの料理もおいしかった。朝食付きのセット料金の予約でも1回は必ずホテルのレストランで夕食を取ることにしている。割引料金で泊めたホテルに対するベネフィットを与えるためだ。フロントがチェックアウトの時に喜ぶ。