夏休みでパリ10泊旅行7(ヴェルサイユ、トリアノン、田舎屋、)

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今日はヴェルサイユ宮殿へ行き、帰ってきてからロダン美術館へ行くことにしている。ホテルが左岸でモンパルナスに近いことから、SNCF(フランス国鉄)でヴェルサイユへ行くことにした。若干待たされたがノンストップなので12分でヴェルサイユへ着いた。慣れないので切符の買い方から列車案内板の見方まで色々大変だった。SNCFヴェルサイユ駅から宮殿までは歩いて20分と結構遠い。タクシーがあったら乗ろうと思っていたが柄の悪そうな車が2台停まっているだけだったので歩くことにした。

SNCF車両の内外とヴェルサイユ駅(花壇の向こうから写した)

ヴェルサイユ宮殿への道すがら眺めたヴェルサイユ市役所(まるで宮殿だ。フランスの官僚は宮殿が好きだ。フランス大蔵省はルーブル宮殿にあった。通りの並木も素晴らしい。ここは高級住宅地なのだ。市役所のファサードには「自由」「平等」「博愛」と大きく書かれていた。???)

道案内版には宮殿ではなく「シャトー」と表現されていた。ヴェルサイユ宮殿へ着きミュージアムパスを見せたら長い列(約1km)の最後に着けと言うことだった。2時間近く並んでやっと入れた。

宮殿の門(巨大な鉄のオブジェが建っていた。なんか間違えたのだと最初は思った。芸術鑑定眼をなくしたフランス人が何処かのペテン芸術家に騙されて、入れたものだと私は断定した。それともやけくそかな!)

宮殿本館の一部(回廊は何と沖縄日航ホテル「アリビラ」に似ている。誰が真似たのかは明白だが・・・)

宮殿は物凄く混んでいるし何回か来ているので本館は一寸見て庭園を中心に見た。何と庭園の入場は別料金だった。庭園を廻る乗り物に乗った。全体では10km近くあるので夏の暑い中歩いては回れない。勿論これも有料だ。観光ずれした強欲なフランスでは観光関連は何でも高い。

グラントリアノンはヴェルサイユ宮殿を縮小したような豪華な建物で面白くなかった。中にはクリスチャン・ディオールなどのオートクチュールのデザイナーが時代考証を加味して作った衣裳が展示されていた。色あせを防ぐために極度に暗くした照明で、何がなんだかよくわからなかった。見えない展示では余り意味がない。フランス人の尊大さと自己中が良く現れていると思った。お金も取っているのだし見えるようにして色が褪せたら又別の若手デザイナーに機会を与えて作り直せばよいのだ。

今回またまたベルサイユ宮殿に来たのはこのプチトリアノンと周りの庭や茅葺の田舎屋を見るためだ。プチトリアノンは華麗さを押さえた中に優雅さがあった。ここには至る所にマリー・アントワネットの遺構が色褪せずに残っていた。コンシェルジェリーで悲惨な姿のマリー・アントワネットを先に見ているのでマリー・アントワネットには一寸だけ同情的になっている。

プチトリアノンの庭園を見て廻った。茅葺の田舎屋が数軒あり、風雅な雰囲気だった。花が咲き乱れ綺麗だったが茅葺の屋根には大分雑草が繁っていた。パリからすぐ近くなのに広大な牧草地が広がり牛や羊、ヤギなどが放牧されていた。

プチトリアノンの花壇

プチトリアノンの庭園(イギリス風の庭園だ)

茅葺の田舎屋(ここでマリー・アントワネットは当時貴族の間で流行っていた農作業をおこなったそうだ。農機具もあったが贅を凝らした飯事遊びの道具だった。)

プチトリアノンを堪能した後、又例の乗りものに乗ってグランカナルへ行った。ここは市民?のボート遊びの場になっていた。眼の錯覚で遠くの池が競りあがって見える。計算されつくしたル・ノートルの庭園だ。

ベルサイユ宮殿見学の最後に本館の池を廻った。ここにも例のオブジェがあった。Viva France!

今日は本館?の鏡の間は見なかった。半円形の鉄骨のオブジェが至る所にあった。全くクラシックな宮殿とはアンマッチなオブジェでフランス人は建築が出来なくなっただけではなく、ついに芸術を評価する目も失ったのではと思った。多分誰かが誰かに騙されたのだ。

RERの駅は混んでいたので再びSNCFに乗りモンパルナス経由でホテルへ戻った。妻がRERに乗りたいと言うので、RERに乗るためにエッフェル塔下の駅からセーヌ河沿いにアンバリッド駅まで行き、乗り換えてラトール・モーブルまで行った。タクシーなら直ぐだったがRER優先だ。今日は日曜なので有名店はほぼ全てお休みだ。

2005年版「るるぶ」で探して「ロベルジュ・ブレッサーヌ」へ行くことにした。やっとたどり着いたら看板はあったが店は潰れていた。メトロの駅に近いアンバリッドが見渡せるこの辺で一番高級そうなレストラン「エスプラネード」で食事をすることにした。

エスプラネード近隣のレストラン(一寸した集積だ)

エスプラネードの客は殆どが地元の人で大半の男の客はスーツを着ていた。ギャルンやフィーユがきびきびと働きすべて効率よく運んでいた。フォアグラのテリーヌと海老のサラダ、アーティチョークのサラダを注文した。一緒に出してくれと言い、シェアするといったらフォアグラは一人前を二皿に取り分けて出してくれた。フォアグラの一人前はそれでも結構多かった。皆美味しかった。なんて大食な連中なのだろうと感心した。私の前にあるのはビールではなく並々と注がれたシャンパーニュなのだ。

ピンクと白のシャンパーニュを最初に頼んだが白の方が美味しかった。白を再度オーダーし、フォアグラに合わせてメドックも頼んだ。これは余り美味しくなかった。アーティチョークは久しぶりに食べたので感激した。サラダも美味しかったが海老が少なかった。オーダーした時フィーユ(女性ギャルソンの私の呼び方)はこんなに少なくていいのみたいな顔をしていた。それでも食べ終わってみるとデザートの入る余地はなかった。140ユーロで食事を終えた。店の格の割りには安い。沢山食べていないからかも知れない。

内装も格調高く近くのアンバリッドにあやかってか、大砲の砲身がインテリアとして立ち並びシャンデリアは大砲の弾が天井に飾ってあった。もしかしてシャンデリアが落ちて来ると怖い。お店の中からライトアップされたアンバリッドが良く見えた。

お客の大半はおなじみさんのようで、帰るときには係りの人が何処からか車を回してくる仕組みだ。レンジローバーなどの高級車が多かった。飲んでからも運転して帰るのだと感心した。我々はメトロで帰った。