異業種交流会「フォーチュン」で、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの五十嵐さんの新年の内外経済展望を聴いた。私はバブル崩壊後の失われた10年は「熱ものに懲りてナマスを吹き続けた」日銀の政策の失敗が大きな要因と考えていたが、五十嵐さんの意見では需要不足が原因と思っているようだ。
約500兆円のGDPの大元は全て企業活動の結果だ。家計(雇用者報酬)、企業の収益、政府の間接税収入などだ。所得税は全て家計や企業所得の中から賄われる。製造業のGDPで見ると94年から09年までの15年で、日本は売上が100を超えていない。米国が150で、韓国は何と270を超えている。国内需要の不足の主な原因は人口の減少が主な要因だそうだ。生産年齢(15歳から65歳未満)が年々減少し、それに伴って実質国内総需要が減少し、供給との間にギャップを生じてデフレ要因になっているのだそうだ。金融政策では物価は多少押し上げられても需要を創造することは出来ない。
人口のことなら出生率等から10年も20年も前から統計的に分かっていたことだ。これは自民党政治の無策の結果以外の何者でもない。自民党には今の情けない日本を作ったのは自分達だという自覚がない。旧日本帝国軍人と同じだ。農業政策でも無駄に2兆円超も使い、埼玉県の面積と同じくらいの「耕作放棄地」を抱え、しかもこれに補助金さえも払っている。「泥棒に追い銭」だ。結果、農業はむしろ弱くなっている。農業政策が功を奏していれば、TPPにももっと前向きに立ち向かえ、国富の増大にも柔軟な政策が打てたはずだ。
輸出について見てみると12,3%で、台湾の45%、ドイツの35%、韓国の32%等に比して決して多すぎはしない。少ないくらいだ。因みに米国は約10%で思ったよりも多い。
韓国の方が全てで日本の自民党政治を上回っている。航空行政でもこんな狭い国に100も空港を作り、ハブ空港さえもなく韓国のインチョンに皆持って行かれている。JALはKALに負けたのだ。海も然りだ。不必要な港湾や立派過ぎる漁港を全国に作り競争力の分散をきたしてしまい、ハブ港湾をプサンに奪われている。「自民党は実は韓国の手先なのではないか」とさえ思えてくる。
TPPでも、98.5%の国民を自民党の票田である1.5%の農民のために犠牲にするのは本末転倒である。一票の格差で1.5%が実質的な政治勢力としては7、8%になっているとしても、とんでもないことだ。政治の格差は地方目線の議員を増やし、今やグローバルで行われている都市間競争における東京の競争力にも影を落としている。先般行っ来た貧乏なカンボジアのプノンペンの方が交通制御では上手く行っている感じだった。何しろ信号がない。余計なお世話なのにODAか何かで日本が信号を贈ったそうだ。そこだけが混んでいた。日本の業者のために運用も出来ない国へ「MRI」を国民の税金で贈る様なものだ。
農業政策や農政には嘘が多い。食糧の自給率をカロリーベースで表すなどはとんでもない事だ。野菜などはカロリーが少ないので計算外になる。低く見せるための方便だ。こんなことは数え上げたらきりがない。