誕生日記念旅行で沼津へ3(クレマチスの丘)

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旧沼津御用邸跡公園を見た後急いでクレマチスの丘へ向かった。東名の沼津インター方面なので非常に混んでいた。迂回ルートを取ってやっとクレマチスの丘へ4時前に着いた。

クレマチスの丘へ来ると突然日本の風景からヨーロッパ的な風景に変移する。この不連続は最初違和感があったがすぐに慣れた。クレマチスの花は今が見ごろだ。庭園の花の彩りは、まるでカシニョールの絵の世界へ入り込んだようで、心地良かった。

ヴァンジ彫刻庭園美術館を見た。彫刻家のイタリア人ヴァンジが彫刻は勿論のこと庭園の設計から、建物の設計まで行った彫刻・庭園の総合芸術コンプレックスだ。会員になると何回でも来ることが出来る。妻が会員になった。ビュッヘ美術館へもは入れるので、年に何回も来られればお得だ。

庭園は上段と下段に別れており、間に彫刻の展示室がある。室内展示は力作も多いが余り面白くなかった。照明が悪いのかも知れないが、ともかく暗い。

時間が有ったので、その後、ビュッヘ美術館へ寄った。ベルナール・ビュッヘの絵画や彫刻などが実に沢山揃った素晴らしい美術館だ。スルガ銀行オーナーだった岡野さんが集めたコレクションだ。ビュッヘの絵画は暗くて余り好きじゃないが、蝶やカブト虫の彫刻は素晴らしい。アールヌーボーの影響かも知れない。

資産家が良くやる相続税対策かもしれないが、この様にして、文化遺産はお金持ちによって受け継がれるのだ。岡野さんがなくなった後、ビュッヘは失望して自殺したそうだ。最大のパトロンだったことが伺える。有名な画家は皆貧乏の中で傑作を書いたが、ビュッヘは大パトロンの存在でひ弱な芸術家になっていたのかも知れない。