群れる学生

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道を歩いていて気になることがある。相手は学生で、数人が横一列になって、歩道一杯になって歩いてくる。脇によけるのは癪なので、真ん中を突っ切って行く、と何故か全員が無理をしても同じ方へ寄る。まるで一時も離れたくない、マイナーになりたくない、みたいな印象だ。

実際は一体感を何とかして醸し出したいと苦労しているのではないかと思う。情けないことだ。こんなことまでしていないと、「友人・友情」を失わないかと心配になるのだ。社会性などはお構いなしで、仲間の論理が優先している。まるで「仲間外れになれば生きてはいけない」脅迫観念に支配されているようだ。

こんなに情けない団体民俗では「世界競争」に勝てる訳がない。教育といじめなどが、若者からささやかな独立心さえも奪っているように思えてならない。「百万人といえども我行かん」どころか、一人でも反対すれば腰砕けなら未だ良いが、言われる前に悴んでいる。

若者に自信を持たせないといけない。それには何か一芸を身につけさせることだと思う。空手でも音楽でも何でも良い。一芸に秀でれば自信が付く。今の若者は全てに目立たないようにして身を守っていると良く聴く。いじめ対策なのだろうが、これでは世界どころか日本の中でも物の役に立たない。

自分を殺す訓練をしていればその究極は自殺になってしまう。年間3万人もの自殺者がある。極めて異常だ。大和魂を誇った日本人はか弱い民族になり下がった。そのくせ多数の殺人が行われている。殺人者の多くが周りの人達から「えっつ、まさかあの人が!」と言われるような人だ。弱さは善ではない。