「ミュゼアリゾート佐世保・弓張の丘ホテル」を出て、佐世保で唯一の訪問先、海上自衛隊史料館「セイルタワー」へ行った。入口が分かりづらかった。7階建ての立派な資料館だが、建ててからそんなに経っていないのに大掛かりな改修工事だ。自衛隊お得意の甘い見積と甘い施工監理の結果だ。
こんなことより一番気になったのは、数次にわたる戦争を海上自衛隊としてどの様に総括し評価しているかが一切分からなかったことだ。太平洋戦争には反対したみたいな展示があったが、パールハーバーで太平洋戦争の先陣を切ったのは帝国海軍だ。帝国海軍と今の自衛隊との関係もあいまいだ。単なる表層的な日本の海の防衛展示だけではこれだけのお金を掛けるに値しない。ここには日本国家としての揺ぎ無い海上防衛の哲学なり戦略を誰が見ても分かるように展示されてしかるべきだ。外国や革新勢力などへの、「遠慮の塊になって」身動きが出来ないのであれば、こんなに立派な展示館は不要だし有害だ。日本海軍の理念のなさを世界に晒すからだ。イージス艦と漁船が衝突した海難事故にも海上自衛隊の士気の低さが滲み出ている。
セイルタワーを後にして一路平戸へと向かった。九十九の海岸線を行きたかったが時間がかかるそうなので何の変哲もない陸路を行った。平戸大橋を渡ると間もなく平戸だ。平戸は海に囲まれた入り江の小さな町だ。落ち着いて小奇麗で感じの良い町だ。
先ず平戸城へ行った。三方を海に囲まれた海の城だ。島原城に感じが似ている。
聖フランシスコザビエル聖堂へ行った。丘の上にあり立派な教会だ。直ぐ下に領主だった松浦家の菩提寺があり、お寺と教会の見える景色がここの売りだと聞いた。領主は切支丹ではなかったようだ。それでも教会はそのままにしておいたところなどはいかにも日本的だ。黒か白かではなく、灰色の部分が大きい。
フェリー乗り場の大きな駐車場に車を置いて、付近を散策した。足湯やオランダのカピタンの銅像などがあり結構楽しい散歩道になっている。
大変分かりずらい標識に従ってというより殆どないのだが平戸観光資料館と平戸オランダ商館跡を見に行った。平戸観光資料館は建て替え中だった。
平戸は十分に見たので、ハウステンボスへ急いだ。ハウステンボスは多分4回目だ。今回は特にチューリップが咲き誇っている絶好の季節だ。ホテル日航ハウステンボスへチェックインして早々に夕方の入場券を買って入国した。まだ明るくオランダの風景を背にしたチューリップが幻想的な美しさで迫ってきた。Life is beautiful. (La vita e bella.)カッコ内はイタリア映画のタイトルだ。
限界時間に入ったので昼間の景色と夕方の景色とを堪能することが出来た。夕方、安くなってから来援する人たちが結構多いことに気が付いた。これからはHISの元で再建することになるらしい。日本中に稼働率の低い箱物が充満している。これらの活性化だけでも結構日本を元気に出来るはずだ。
明日は早いので、ホテルのレストランで、ハウステンボスの花火を見ながら夕食を取った。プリフィックスメニューだったが結構美味しかった。
地方へ来ると政府の無策とか無駄遣いだけが見えて気分が悪くなることも多い。表面的な見方かもしれないが、地方の方が東京よりも、生活は実質的に楽で楽しそうだ。何よりだ。お陰で、結構楽しい旅になった。感謝だ。