Bunkamura ル・シネマで「副王家の一族」を観た

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時間を見つけて渋谷でイタリア映画「副王家の一族」を観た。

実は先般東急本店のリチャード・ジノリの売り場を冷やかしていたら、話が弾んでしまい、イタリアのこもごもの話で盛り上がった。アマルフィではバスに乗ってさらに上の方へ行った方が景色が良いとかベネチャノオペラハウス「ラ・フェニーチエ」の焼ける前と再建後の違いなど結構込み入った話になった。その折にこのイタリア映画を薦められた。イタリア語を勉強しているので、どの位分かるのかを試してみたい興味もあった。

副王とはヨーロッパで国の領土や海外植民地に置かれた国王代理を務める高位の行政官のことである。この映画のテーマとなった「ウゼダ家」は、スペインブルボン王朝の支配下にあったシチリア王国を支配した一族だ。イタリア統一へと向かう19世紀半ば、スペイン副王の末裔であるウゼダ家では、絶大な権力を持つ極めて封建的な父ジャコモと息子のコンサルヴォが激しく対立していた。王政の終焉と共に貴族社会は崩壊するが、「王の時世にはウゼダ家は王の友、貧民の世には貧民の友」と公言し、したたかに生き延びを図った。父の死後、息子のコンサルヴォは自由主義者からご都合主義者へと変身し、選挙に出て当選し、一族を守る立場を強化・鮮明にする。

贅を尽くした内装や家具調度品が素晴らしい。服装も華麗だ。料理は良く分からなかったが、これだけでも一見の価値がある。映画の中のイタリア語が結構良く分かったので、楽しく観ることが出来た。イタリア語は発音が比較的単純なので分かりやすい。オペラを生で聴きたいと思って、始めたイタリア語だが、これからはイタリア映画を見る機会が増えそうだ。