異業種交流会フォーチュンで、上野・鈴元演芸場へ行った。ン十年ぶりだ。建物は大きなビルになっており、一瞬と惑ったが中へ入ってみれば、懐かしげな寄席の臭いだ。落語に漫談・手品などフルコースで、2時間以上の長丁場だ。フラッシュが炊けないので、ISOを上げた。そのせいで写真の粒子が荒れている。スミマセン。
しかし、中々面白い芸には出会えなかった。話は上手いが面白くないとか、面白いはずなのに笑えないとか、そんなに笑いを取ろうとはしていない様子だった。「爆笑オン・エアバトル」などのTVお笑いファンとしては、努力不足なのか、元々、寄席はそんなところなのか、良く分からないが、不満だった。
入場者も少なく前の方の席だけが埋まっていた。ぱらぱらと座っていたので漫談の講釈師が「今日はぱらぱらのお座りで、インフルエンザが移らなくて結構だ」などと笑いを取っていたくらいだ。「爆笑オン・エアバトル」などのテレビ放映ではスタジオへ来る人の大半が若者や女性であるのに、演芸場には若者も若い女性も見当たらなかった。時間と金があり、然もストレスをためている、若い女性を取り込めなければ寄席に将来はない。吉本が皆取って行ってしまうことを後で聞いた。
演目の組み合わせにも不満があった。全体を見渡して、喜んで帰ってもらうように考えられていない。それぞれの演者が自分勝手に、好きな芸をバラバラにやっている。最後の酉では、話は上手い演者だが、陰気な演目で、聞いていても、気持ちが沈んでしまう様な話で終わっていた。これでは、又来たいという気持ちにはさせて貰えない。笑いたいと思っていても、決して笑えない仕組みになっている。
マーケティングリサーチや総合コーディネータが要る所以だ。老人ばかりが来ていては、寄席に明日はない。日本の伝統演芸が、これでは消えてしまう可能性が高い。まことに残念なことだ。