中国IT視察ツアー3「JETROセミナー」

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今日はJETRO北京センターのM氏から日中交易等の現状についてお話をしていただけることになった。いまや中国は日本の最重要貿易パートナーだ。中国は日本をどう見ているのか?日本の貢献は正当に評価されているのか?戦略的なパートナーと言われているがどうなのか?豊富な統計資料を基に易しく説明して頂いた。概要を以下に載せたい。

Ⅰ.中国経済

1.中国経済の推移

・2003年から2007年まで2桁成長を持続・GDPランキングは2006年2,668億ドルで米日独に次ぐ世界4位・一人当たりGNIランキングは2006年2,010ドルで世界129位(推定値)・日本2%成長、中国10%成長を前提にすれば2011年にGDPで中国が日本を抜きさる。

2.「内熱(インフレ)外冷(輸出ダウン)」の中国経済 2008年はもっとも困難な1年

3.五輪終了後も中国経済が減速しない3つの理由

(1)五輪による経済押し上げ効果は限定的  五輪効果は毎年2%ほどだが、その他の経済成長率は12%で、なくなっても10%を維持(2)インフラ建設がGDPに占める比率が小さい  北京市の産業別GDP比率で建設業は4.7%と低く、今後もインフラ投資は継続される。(3)中国全体のGDPに占める北京の割合が小さい  北京市の経済規模は中国全体の3.7%(2007年)、GDP成長率の相関関係もない。

4.五輪後の中国経済

・若干の減速、10%成長は維持・実際は中国政府のマクロコントロールと世界経済に依存・不動産価格の動向は懸念材料(私見では余りにも多くの不動産建設が一気に行われている。実需が伴わなければバブルとして崩壊危険)

5.中国の対外貿易の推移

・2007年貿易総額で前年比23.5%アップし、2兆1,738億ドルで初めて2兆ドルを突破し貿易黒字も過去最高の2,622億ドルを記録・中国にとって日本は輸出では第4位、輸入では第1位、貿易総額では第3位の貿易相手国。輸出ではEU21,2%、米国20,1%、香港15,9%、日本8,8%

Ⅱ.日本と中国

1.日中貿易の推移

・貿易総額では2007年前年比12,0%増2,367億ドル、2年連続2,000億ドル突破、9年連続で過去最高を更新・輸出では米国に次ぐ第2位、輸入では2002年以降第1位の貿易相手国

2.2007年中国が第1位(17,7%)の貿易相手国に

3.日本の品目別対中輸出

・半導体等の電子部品、デジタルカメラなどの電気機器・建設ラッシュを背景にした建設用や鉱山用などの機械類・富裕層や法人からの需要の多い高級車やSUVなどの輸送用機器

4.日本の品目別対中輸入

・普及品デジタルカメラやDVD機器等の電気機器・一般機械など

5.投資累計では日本は実質的に第1位の対中投資国

・対中投資国累計では香港40.8%、日本8.5%だが香港は各国の現地法人経由の投資が多いので日本が実質的に第1位の投資国。

6.2007年対中投資の特徴

(1)販売・研究開発強化型の投資が増加・研究開発拠点の設置先として中国がトップに(2)金融・保険分野への投資が増加(3)戦略的なビジネシアライアンスが進展・中国国内販売を志向し中国企業とのパートナーシップが増えた。

7.拡大する中国国内市場

(1)全世帯の10%を占める都市部の高所得層の2006年世帯平均月収は約7,600元とこの5年間で2.3倍になった。(2)世帯数では約1,900万世帯、人口換算で約5,000万人

8.日中間の投資は双方向の時代へ