渋谷で打ち合わせがあり帰りに渋谷TOEIで「バンテージポイント」を観た。スペインサラマンカで開催されたテロ撲滅サミットでアシュトン米国大統領がテロ組織から狙撃される。
テロを目撃した8人の視点(“vantage point”とは「有利な見地」の意)から「その瞬間」が繰り返し描き出される。8名それぞれの立場でしか見えない「視点」を寄せ集め、螺旋階段を上がるように次第に大統領暗殺計画の全貌がはっきり見えてくる。実に面白い映画の手法だ。情報(インテリジェンス)が入っていた側近は大統領の反対を押しのけ、演説の直前に大統領を替え玉に替えていた。
現場に立会っていたロートルのシークレットサービス トーマス・バーンズ(デニス・クエイド)は数々の困難を乗り越えて本物の大統領を救う。彼は老人扱いで情報も貰えず、中2階に追いやられていたが嗅覚は誰にも負けずしっかりしていた。
替え玉であることを予め知っていたテロ組織は替え玉を撃つと同時に混乱のさなか、本物の大統領暗殺に向けて刺客を放つ。一度バーンズに命を助けられている大統領は「何でバーンズは替え玉を守っていてこの俺を守らないのか?」と不満を漏らしていた。側近のバーンズ・パッシングとは異なり、「自分を本当に守ってくれるのは誰か」を大統領は知っていた。
ハリウッド映画お約束の「ハッピーエンド」だがそこにいたるプロセスは実に壮絶だ。バーンズの超人的な活躍がなければ誘拐された大統領は確実に殺されていたはずだ。
実はJASIPA PR委員会の後で、最近見た「バンテージポイント」は凄いと住吉さんから話を聞いて見に行った。情報は直接目や耳で集めるものだ。素晴らしい時間を持てた。住吉さんに感謝だ。私は何よりも「情報」に価値Valueを置いている。