趣味・読書と分類を書いて何となく違和感を感じた。趣味=楽しみとすると私にとっては「読書」は純粋に楽しみとは言えないからだ。
小学校時代には「少年王者」「画王」などの少年漫画や「岩窟王」「鉄仮面」「三銃士」などをそれこそむさぼるように読んだ。これは楽しみの域を超えてもう「無我夢中」といえた。ただしこれはマンガを除き全部友人から借りて読んだものだ。
中学位からは大学を意識した読書(勉強)が始まり、純粋な読書の楽しみはなくなった。「読書の成果」が楽しみになった。読書は目的ではなく手段になった。無事大学を卒業しても会社では日本で最初の「オンラインリアルタイムバンキングシステム」の開発チームの一員になり毎日英文の文献の翻訳を行っていた。
お陰で学生時代よりも英文の読解力が格段に高まり翻訳した日本語を書くのが間に合わないほどだった。ワープロは未だなかった。そのせいかそれから20年以上たって窓際で受けた「TOEIC」テストでは690点取り、マーケティング本部で若者を抑えて一位だった。
著者の唐津一氏はとても楽観主義の人だ。話を聴いていると小気味良くて「日本も大した者だ」と思ってしまう。本を読み返してみると日本の強いところだけを取り出している。言ってみれば歌麿の浮世絵みたいなものだ。部分強調の技法で日本人が全部「UTAMARO」にされてしまい戦争で捕虜になった男たちがWACSで苦労した話などを思い出した。
本書は1999年から2005年にかけて「日経ビジネス」に連載した記事に加筆修正したものだ。この種の技術に関する解説や展望を書いたものは技術の変化が激しいのですぐに陳腐化してしまう。BOOK OFFで古本として買った。今では内容的に新味がなく読書時間の無駄であったような気がする。後付の確認は出来たが・・
この様な本は新刊で買わなければ駄目だという教訓だ。勿論読書自体が目的であれば問題はないのだが、私の読書の目的である「最新技術動向を知る」点からは外れている。唐津さんが悪いのではなく古い本を買った私が間違っていたということだ。