「封印の昭和史・・・戦後50年自虐の終焉」を読んだ

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歴史の時間を子供たちは嫌がるそうだ。日本はこんなに悪いことをしてきたとこれでもかという程に叩き込まれるからだ。私も戦後教育の中でどっぷり漬かってきたので「全て日本が一方的に悪い」と思ってきた。一種のマインドコントロールだ。

この本は渡部昇一さんと小室直樹さんの対談の形を取っている。東京裁判の正当性の議論から始まって今の日本の状況は大東亜戦争が目指した目的をことごとく達成していると見る。戦争目的は3つあり、「国家防衛」「ABCD包囲網からの開放と自由貿易体制」「アジアの開放」だった。

1.国家防衛

第2次大戦後日本は一度の戦争もなく、北方や西方からの脅威もなくなり平和国家として「ソフトパワー」も蓄えている。パックス・アメリカーナの傘の下ではあるが。

2.自由貿易体制

戦後50年で、全てが破壊された中から、経済的にも成功し一人当たりGNP(国民総生産)でアメリカを追い越した。アメリカの独走分野であった自動車の生産でもアメリカを追い越し、世界一の自動車メーカにもトヨタがなろうとしている。戦後の自由貿易は経済大国アメリカが先導した。が「自由貿易」の成果を一番享受したのは日本だった。

3.アジアの開放

結果的に日本はアジアから西欧を追い出し、アジア諸国のエマージングのきっかけを作り、雁行のトップフライヤーとしてアジアの発展に力を貸した。

小室直樹さんは「大東亜戦争の目的の3つを完全に実現している今の日本はクラウゼウィッツや孫子のひそみにならうならば、果たして敗戦国と呼べるのでしょうか」とまで言っている。戦争という局地戦で負けたがもっと大きな戦いで勝ったといっても過言ではない。

「自虐史感」についてみるならば、マッカーサーもアメリカ議会で東京裁判は間違いであったと、その後認めている。それは公式文書で公開されている。アメリカは朝鮮戦争を「当事者として戦って始めて」日本の北方に対する「恐怖感」が分かった。日本を北方の脅威から安全に維持するためには防波堤として朝鮮半島に強力な独立国家が必要であり、もしない場合には自分で抑えないと危ない。もっと安全性を高めるためには満州も維持したい。これが拡張意欲旺盛なソビエトに対抗するための日本の支配者の思いだった。是非はともかくとして。

マッカーサーは朝鮮戦争で勝利するためには北の補給基地になっている「中国を爆撃しなければならない」と主張して当時のトルーマン大統領に解任された。

東京裁判は国際法上の正当な裁判でないことは明らかだった。ニュルンベルグ裁判の焼き直しとして、東京裁判で日本人の戦争責任者を裁こうとした。しかし日本にはドイツのユダヤ人皆殺しの様なジェノサイドは存在しなかった。そこで南京事件をでっち上げ「日本軍による大虐殺」として日本軍の粛清を図ると同時に「日本人の軍人信仰」の破壊を行った。

その後中国の政権が自己保存のためにこれを利用して30万人の大虐殺がでっち上げられた。当時の南京の人口は25万人程度だったようだ。25万人の骨など未だにどこからも出てきていない。なぜなら「大量虐殺」など無かったからだ。

渡部昇一さんと小室直樹さんは「全うな知識人」だ。この国の知識人には偏った人が多すぎる。われわれのような無知蒙昧な人は騙されてしまう。最近藤原さんが「国家の品格」などの著作で日本人のプライドの復活をしきりに訴えているが、教育から見直さなければ効果はない。

「あなた方の祖父母はこんなに悪いことをやって来たのですよ」としつこく吹き込まれてプライドが持てるはずがない。自分自身が悪いことをしても「祖父母からのDNAだから仕方がない」となってしまう。扶桑社の教科書が偏向していると問題になり、また沖縄で日本軍が沖縄の人の自決を強制したくだりを削除した問題で騒然としたりしている。

教科書の内容に外国から干渉を受けるなどはもっての他だ。中国だって韓国だって教科書は自国の支配者に都合の良い内容になっている。日本への配慮などは微塵もない。それが国家なのだ。外国の顔色を伺って教科書を作っているようでは独立国家とはいえない。品格のないこと甚だしい。