近所の建設工事現場で「5S」運動実践

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すぐ前の建設工事現場で5S運動の看板が掲げられている。実践の内容や程度は不明だ。

一般に製造業の現場管理は5S運動から入るとされている。「整理」「整頓」「清潔」「清掃」「習慣」の5つの頭文字の「S」を取ったものだ。「3K」などと呼ばれる職場では5Sの実践は切実な問題だ。職場の人気を左右する。今や3Kの仲間?になりつつあるIT産業も他人事ではない。

工場現場のコンサルタントが入るとまずこれらの5Sに注目する。一見してわかる「整理」「整頓」「清潔」「清掃」もできていない工場で「品質管理」も何もないからだ。

5Sは何も工場に限ったことではない。オフィスでも同様に重要だ。「清掃」がなされてなく不潔な職場ではろくな仕事は出来ない。パソコンでペーパーレスやレスペーパーが実現したはずなのに机の上が満杯の人が結構多い。フリーアドレスの職場では原則私物?の置き場所は小さな個人用ロッカーがある位だ。それさえもない職場も多い。

「整理」「整頓」は机の周りや床やレイアウトだけを言うのではない。パソコンの中でもフォルダーやファイルが整理され、もう使わないファイルなどは「清掃」されなければならない。デスクトップへやたら使わなくなったアイコンをおいている人も多い。電源投入時の立ち上げ時間がその分余計にかかる。

メールのフォルダーを整理していない人はさらに多い。あまり増えるとメールサーバーから注意がくる。こまめに消すことと必要なメールは仕事ごとに分類されたフォルダーへ定期的に移すことだ。

5Sの最後は「習慣」だ。突然思い立って非定期的に「整理」「整頓」「清潔」「清掃」を行っても駄目なのだ。それらが自然体で習慣となって身についていなければならない。

「いまさら5Sかよ」なんて馬鹿にする人は多いが、自分自身の「5S」は更に難しい。仕事でもそうだが、まして自分の身の回りを考えてみると良い。自宅の机の周りやリビング、寝室などでの5Sは考えるだけで疲れる。責任の範囲もあいまいだ。

「5S」の大前提として優先度を付けて要らないものは捨てることが要求される。ものや思い出、果ては捨てた場合のリスクを考えて何でも取って置くような人には「5S」は無縁だ。世の中で管理者と名の付く立場に立ってはいけないということだ。脚下照顧。