ハウステンボス迎賓館で食事

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フランス料理界の巨匠、故アラン・シャペル氏の愛弟子「上柿元 勝」名誉総料理長の創作料理をハウステンボス迎賓館のレストラン「エリタージュ」で食した。

残暑厳しき折であったがドレスコードがありスーツ着用で行った。迎えの車があったし、中は冷房が効いていたので上着無しでは涼しすぎるくらいだった。でも何か変だ。

食前酒を飲みながら料理を決める前室があり、若干の抵抗はあったがおすすめのシャンパーニュを飲んだ。酸味の強いさわやかな味で猛暑の食前酒としては素晴らしかった。

ネットでは予めプレフィックスメニューを頼んでいたが変えられるとのことだったのでアラカルトメニューに変えて貰った。この様なレストランでは料理の量が多いので妻と一人前を半分ずつ食べることにした。魚と肉の料理を一品ずつオーダーしたがなんとなく寂しいのでスープを飲むことにした。本当はビスクかビシーソワーズが飲みたかったがどちらも無かった。ビシーソワーズはジャガイモが主原料なので高いレストランでは使えない。仕方ないのでビスクライクなスープを注文した。ブイヤベースの親戚が出てきた。

いつもは最後まで行けないのに今日はお皿シェアしたのでデザートまで余裕を持って美味しく食べられた。デザートのケーキもマンゴーと木苺のソルベもとても美味しかった。感謝だ。半分食べ終わってお皿を交換しようとしたらロイヤルコペンのお皿の重ねなのでやたら重かった。ギャルソンが交換を手伝ってくれた。

ワインは以前行ったことのあるサンテメリオンの2003年物をデミで頼んだ。フルボディのしっかりしたワインで美味しかった。

しかし、迎賓館のメインダイニング「エリタージュ」はガラガラだった。「蝋燭のついたテーブルに座ってください」とのことだった。12,3前後テーブル席の中で2つのテーブルに蝋燭が灯っていた。もう一つのテーブルは10時になっても誰も来なかった。

ステータスを維持するのも大切かもしれないがこれでは経営が成り立たない。迎賓館に1泊31.5万円で泊まった人は必ずここで食事をするはずだ。宿泊代金に見合ったレストランは他にはないからだ。誰も食事に来ないということは宿泊者も居ないということになる。バブルの産物であるこのプロジェクトは大変だ。一旦潰れたが未だ本格的な見直し(リモデリング)が出来ていない。

私が泊まったホテルデンハーグでもホテルヨーロッパでも宿泊者の大半が韓国人だった。彼らはセットになった朝食はホテルで腹一杯食べるが夕食はホテルのダイニングでは取らない。高いからだ。そんな人が迎賓館のレストラン「エリタージュ」で食事をする恐れはない。

ビジネスモデルの再構築とマーケティングを真剣に考えないとこの先このレストラン「エリタージュ」及びホテル迎賓館の生き残る可能性は限りなく小さい。