FRIセミナー「ITによる経営革新」に出た

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富士通総研ITコーディネータ協会共催の製造業ITマネジメントフォーラム「ITによる経営革新~ITマネジメント力が競争力を決める~」に誘われて出席した。

■主要テーマ

・キーノートスピーチ  日経BP編集委員   中島 洋 

・革新へ導くIT投資マネジメント力 富士通総研 大原宏之

・富士通におけるIT革新マネジメント富士通  花岡一彦

・パネルディスカッション

■待ったなしのIT経営革新

1.CIOの役割の変化

・CIOの事例・・・セコム、NSKなど・CIO出身のトップマネジメント・・CIOがトップへのキャリアパスの一部になった。・企業内Wiki Pedia、企業内SNS⇒テキストマイニングが必須になった。・新会社法、金融商品取引法(J-SOX法)でCEO、CFOが刑務所入り⇒真剣な取り組み

2.内部統制の重要性が大幅に上昇

経営者もROI(Risk Of Imprison)については非常に敏感で、もう一方のROI(Returns Of Investment)については若干のあいまいさが残っても、投資に踏み切るケースが出てきた。法的な強制力の効果は大きい。ある意味で今がチャンスだ。

3.企業緊急事態対応でのシステム不可欠

最近管理不行き届きによる不祥事が多い。・・日興コーディアル証券、不二家などなど多数。公害の結果色んな規制が強化されたし、企業と社会の関係は信頼関係から緊張の関係へと変わった。旧くはPL法、最近では新会社法や金融商品取引法とうでコーポレートガバナンスとCSRが大切になった。環境白書や環境報告書などを出している企業も多い。従来では大変な経費がかかったが今では自社のウェブへ掲載するだけで良い。IR等も同じだ。ウェブやインターネットの活用が不可欠になった。

4.内部統制の多面的要請

・公害防止、有害食品排除、特殊株主排除などの社会からの要請・セクシャル・パワーハラスメント防止などの従業員からの要請・コンプライアンス、犯罪防止、談合防止などの行政からの要請・企業統治、資産保全、財務会計適正化など株主からの要請

5.ITが実現する透明性

・RFIDによるトレーサビリティ・・・BAM(Business Activity Monitoring)企業活動の異常の発見と非効率・不正の防止

6.新会社法での内部統制=ITによる経営

言うべくして行われなかった「ITによる経営」が新会社法での内部統制でやっと実現する。今の経営ではシステムなしては内部統制は不可能である。経営者もシステムの理解なくしては経営が出来ない時代に入る。

■革新へ導くIT投資マネジメント力

1.マネジメントの必要性

・業務効率化から攻めの戦略的投資へシフト・業務マターから経営マターへの投資シフトに伴い投資大綱化の測定が難しくなった。

2.IT投資マネジメントの方法

投資金額の増大、複雑化、組織横断化、経営関連システムへの投資などによりIT投資マネジメントの重要性は格段に上昇した。複雑系で困難なために効果測定を行っていない企業が多い。方法論は未だ確立していない。幾つかの方法でトライアルが行われている。

・PDCAマネジメントサイクルの確立・投資目標の数値化・戦略マップによる投資プロジェクトの可視化(数値化)

例1.BSCフレーム視点による指標の設定例2.SCORモデル作り例3.戦略マップ作り例4.ポートフォリオ作り

方法論は未だ確立されていない感じだった。聴いていても良く分からない。結論は「コンサル契約をして一緒にやりましょう」と言った所のようだ。新しいことにはお金がかかる。

何でも良いから日本初の世界標準やデファクトスタンダードを生み出して欲しい。そうでないと車の世界で「日本人が考えたのは折りたたみ式のドアミラーだけだ」言われているように馬鹿にされてしまう。フォーディズムに匹敵する「Just In Time System」をトヨタが作っても彼らは公式には認めようとしない。