週刊ダイヤモンド「自動車依存シンドローム」を読んだ

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週刊ダイヤモンド12月16日号の特集「産業界・全国自治体に巣食う自動車依存シンドローム」を読んだ。3つの誤解を指摘している。

誤解1.自動車メーカは地方経済の救世主

メーカの本音は需要地での現地生産。内需が細る日本での生産は先細りになる。国内回帰は先端技術を世界に広めるためのマザー工場の機能強化。長期的には過度の期待は出来ない。

誤解2.自動車ビジネスは桃源郷

自動車ビジネスはグローバル競争が最も激しいビジネスであり、完成車メーカによるコストダウン要求が激しく、しかも自前主義。地元への配慮をしている余裕など無い。

誤解3.日の丸自動車産業の繁栄は永遠に続く

各国とも自動車産業の興隆や発展に国を挙げて取り組んでおり、浮沈の激しい産業でもある。中国や韓国の台頭、自動車のコモディティ化、内需の飽和と日本の自動車産業の前途は決して楽観出来ない。

何事もそうだが日本の自治体は他力本願であり自分で考え、独自の「自分発の有効な繁栄策」を打ち出すことができない。長らくお上(国)が助けてくれるみたいな考えでやってきたし、地方交付金などもあり、自主財源が無かったこともあって「パラサイト志向」が強くなっている。自分でPDCAして、「入を計って出を制す」の財政原則すら知らない。家計でも収入以上に使えば、サラ金に頼らざるを得なくなり、挙句の果ては自己破産だ。

北海道には破綻した自治体が数件あるが、総じて北海道は自助努力が足りない。何でもかんでも中央頼りだ。ソ連崩壊で北海道の地政学的位置づけが変わってきていることに気が付いていない。中国の台頭で今や沖縄の方が地政学的な重要性は格段に高い。

北海道は交付金や補助金を何でも「土建屋の仕事」にしてしまい、一過性の案件に浪費してきた。キーワードは今流行の言葉で言えば「Sustainable(持続・継続可能)」ということだ。Sudden Deathプロジェクトの繰り返しでは一箇所に立ち止まるだけで継続的な進歩発展は無い。

もっと沢山のお金を使いたければ頭を使うか身体を使うかしかない。遠隔地である北海道は場所の制約の少ない情報産業の育成などにもっとお金を注ぎ込むべきだった。身近に「旭山動物園の成功モデル」もあるのに学ぼうともしない。とっても厳しい判断だが、論語で言う「下愚の性 移るべからず」なのかな。