NPO法人JASIPAの盛大な忘年会開催(危機感も共有)

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12月12日NPO法人JASIPAの忘年会が50名の会員・見込み会員を集めて新宿で盛大に開かれた。今回は都合で退任される松田理事の送別会も兼ねている。会員相互の親睦を深めると共に係っているITビジネスの情報交換の場にもなっている。表面上IT業界にとって良い年であったが色々な伏流水が大きなウネリになりつつあり、これからの数年はIT業界にとって大変な年になるとの実感を肌身に感じ取った会員が多かったようだ。

中国やヴェトナムのオフショアリングが日本語に堪能で日本を良く知っている中国人やヴェトナム人によって主導される様になって来ている。日本のIT業界お得意のフルオーダーのシステムが大卒初任給1万円のヴェトナムで、しかも日本語の業務・システム・プログラム仕様で全く問題ないようになってきている。両国語に堪能なスタッフを多く抱えているからだ。

一方、アメリカではOSSから更に進んでアプリケーションのASP化が医療とか流通業務から進んでいる。メンテナンスサービス無しの「コミュニティ・バージョン」では10IDまではタダだ。機能強化したメンテナンス付の「コマーシャル・バージョン」でも1人月数十ドルで利用可能だ。日本にも上陸してきており、日本のITの常識を覆すことになりそうだ。下手すると日本のIT企業は皆アメリカのこれらの企業の下請けになってしまうかもしれない。丁度、ERPパッケージ「SAP/R3」でそうであったように。

「前門の虎、後門の狼」といった「趣」だが危機感を共有する日本のIT企業経営者は多くない。日本人は多分IT産業は向かないのではないかと思う。トップダウンで早い者勝ちそれも「独り勝ち」になるITや先端産業分野はリスクをとらず稟議制度でゆっくり意思決定する日本型経営に合わない。半導体がその良い例だ。トップダウンでアジャイルな韓国に完全に負けた。今や希望を託せるのは「エルピーダメモリー」しかない。