息子の結婚(入籍)式で箱根へ来た。先方のご両親と息子夫婦?と昼にレストランで食事をして、箱根の役場へ婚姻届をして、夜は箱根強羅の「強羅環翠楼」で温泉へ入り食事をして泊まった。三菱の岩崎家の別荘だった所を譲り受けてこのホテルは昭和24年開業したそうだ。
小田急ロマンスカーのキャンペーン写真
昭和30年には天皇・皇后両陛下がお泊りになられたそうだ。
昭和天皇が環翠楼へお泊りになった際に読まれた御歌
「思い出のふかき山々さびしげに
そばだつ見えて秋ぞくれゆく」
露天風呂
庭が1万坪ありその中にコテージ風の離れ屋が点在している。ゆったりとした作りで気が休まる。今は未だみどり一色で少し色づいた紅葉が交じり合っていた。庭は結構急な斜面にありそれでも池の周りを歩けるようにした回遊式の庭園になっていた。ここは昭和と言うよりも大正時代といった趣だった。
錦華亭
息子夫妻が泊まった錦華亭は天皇陛下も泊まられた客室棟だったが 、応接間などは古めかしくて応接セットは色褪せて座りたくも無いような代物だった。暖房のシステムも古く、オマケに配管がむき出しになっておりホテル業にあるまじき無神経さが気になった。絨毯も古く色褪せていた。色褪せた大正ロマンだった。
古さに甘えておりサービス業の本質を見失っているのではないかと感じた。天皇陛下のお泊りになられた部屋というだけで永遠に価値があるわけではない。家具や絨毯、大谷石の暖炉などはもっと豪華なものにしても良いはずだ。
往時の面影を損なわずに質の高いものに切り替えていく勇気と知恵が要る。「旧い」だけを売り物にしてそれを顧客に押し付けるのは傲慢のそしりを免れない。「換骨奪胎」が肝心だ。