キリスト教とヴァチカンの不条理を描いた映画だ。ヴァチカンや旧教国が大反発した理由が良く分かった。難しい映画で、一度観ただけでは解らないと言われていた。「ダ・ビンチ・コード」の解説本まで出版されている。
「ダ・ビンチ・コード」の小説はどの本屋でも一番目立つところに置いてあった。あんなに厚い本を上下2冊も読むのは苦痛だ。ただしテレビで「ダ・ビンチ・コード」の解説番組は観ていたのでポイントは分かっていた。我々日本人はキリスト教については余りにも無知だ。フリーメーソンもテンプル騎士団も何もかも名前を知っている程度で内容は殆ど分からない。表面的な理解には止まっていると思うが一応理解できた。
この映画どおりとすればヴァチカンやキリスト教会にとっては大変なことのはずだ。キリスト教徒が「何故?」と疑い出したら信仰は成り立たない。論理的にも理性的にも余りにも「バカげたこと」が多すぎるからだ。「不合理なるがゆえに我は信ず」と言った中世の有名な哲学者がいたが今まで意味が分からなかった。今にして思えばキリスト教に対する応援団の応援歌だったのだ。
「なぜなぜ5回で事故原因を究明して、問題の根本原因を元から絶つ方式のTQCに慣れた日本人には中々なじまないのが宗教だ。多神教の日本人には契約で成り立つ一神教は馴染まない。
この映画は誰もが胡散臭いと思いつつ言い出せなかった「キリスト教の謎」に挑んだ力作だ。最後のルーブル宮のピラミッドの場面は無い方が良かった。折角のストリーの流れがここで凍りついた。終わり悪ければ全て駄目。仕方がないので、このシーンは忘れることにした。