映画「ALWAYS三丁目の夕日」を観た

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近所の映画館「ギンレイホール」で季節はずれの映画「ALWAYS三丁目の夕日」を観た。

昭和33年に着工された東京タワーを背景に暮らす夕日町三丁目の人々の日常に起こる悲喜こもごもの生活シーンをほのぼのと語る西岡良平のベストセラーコミックの映画化だ。封切館で見る予定を組んでいたが時間の都合で果たせなかった。この「ギンレイホール」には封切り館から約半年遅れで名画がやって来る。それも結構厳選された映画だけを2本立てで上映している。今回のもう1本は内田けんじ監督の「運命じゃない人」だった。何も期待しないで見たが知的でユーモラスなタイムスパイラルムービー。涙を流しながら・大笑いしながら結構楽しんだ。

「ALWAYS三丁目の夕日」公式サイト

 「ALWAYS三丁目の夕日」は私が田舎から上京して大学へ入った頃の時代背景だ。オート三輪や丸型ブラウン管の白黒テレビ、そこで映されて大勢で観ている力道山の空手チョップそして大いにお世話になった都電。集団就職の中卒の女の子。街を走る観音開きのトヨペットクラウン、ドアの蝶番が露出しているブルーバード、数々のノボリやカンバン。全てがセピア色の世界をカラーにして蘇った。

理屈を言っても始まらないが夕日町三丁目は東京タワーとの相対的な位置関係からは今の赤羽橋周辺と思われる。この映画の中では余りにも田舎っぽく描かれているのが気になった。道路は舗装されていないし水道も無くポンプで汲み上げていた。レトロ調を出すために時代考証を疎かにするならばこの映画の真価は低減する。この時代を演出するために道路を走っている車を全部、この時代と思われるクラシックカーで統一するなど努力のあとは歴然なのだが。

PS(7月6日):妻から後で聞いたが千代田区富士見でも昭和33年頃は道路は舗装されていず、水汲みのポンプもあったそうだ。私が下宿をしていたのは高級住宅地ばかりだったのでつい勘違いをした。「時代考証云々」は差し出がましいことであった様だ。お詫びしたい。