ダイエー会長林文子さんの著書「一生懸命って素敵なこと」を読んだ

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日経新聞の読書欄「今を読み解く」に出ていた掲題の著書を読んだ。実は今行っている営業のコンサルに役立つのではと思って読んだ。直接の役立ちよりも本質的なことを学んだ。

「一生懸命って素敵なこと」

 林さんは都立の高校を卒業して一流会社に就職し、補助的な仕事しかさせて貰えないことに飽き足らず、車のセールスの世界へ飛び込み実績を挙げて上り詰めた方だ。男ばかりのハードなセールスの世界へ女性ならではのソフトパワーを取り入れて成功した。対顧客の接点でも商品=車ではなく、人間から入った。社内の上司・同僚・部下に接するにもソフトパワー=人間力で良い関係を築き上げた。人の懐に飛び込むのが上手な方とお見受けした。現場第一の考え方も成功の方程式にぴったりだ。

セールスの世界ではお客様に卑屈な程にへりくだる人こそ陰に廻ってはお客の悪口を言ったり、悪い話を喧伝したりする。林さんがお客様との人間関係を重視して何世代にも亘ってお付き合いしていることなどは営業の鑑だ。現場よりの目線で経営を見直せばダイエーの再建も視野に入って来るかも知れない。

この国で女性が成功するには多くの選択肢はない。建前を優先せざるを得ない「官庁・自治体に入る」、外資系の企業に入る、実績・実力主義のセールスの世界へ入る、医療・弁護士・工芸・建築・文芸等の専門家の世界に入る、等が考えられる。林さんの場合には「外資系」+「セールスの世界」の2点で女性の成功の方程式に当てはまっていた。少子・高齢化で活力の維持が難しくなっている日本では女性の活用(好きな言葉ではないが)が国の将来を決める。