九段中学と九段高校が一体となり区立「九段中等教育学校」が誕生する。今月末には九段中学の「校舎とのお別れ会」が予定されている。どちらも妻の母校だ。千代田区教育委員会ウェブサイト
都立九段高校は元東京市立一中で、東京府立一中の後身である都立日比谷高校と何かにつけて対象にされた高校だ。私はどちらにも直接関係ないので偏見は無いつもりだ。会社や大学で出会った両校の卒業生を見ると際立った対照があった。(狭い範囲の経験なので誤解も偏見も例外も多いだろうことは論を待たないがお許し願いたい。)がつがつして大学の教室で次の講義を最前の席で聴くために早くから自分のノートで占有する日比谷高校卒業生。大蔵省や通産省などの主要官庁目指して大学入学後も必死の形相で頑張っていた。大学のクラスには九段高校卒業生はいなかった。会社へ入ったら数人の九段卒業の方がいた。多くは趣味人でおっとりしていた。皆良いとこの坊ちゃんだった。この個人的な経験と偏見が当っているかどうかは分からない。
東京の公立高校は学校群制度で徹底的に破壊された。有名大学へ入るためには私立の中高一貫校へ入らざるを得ないところへ親も子も追い込まれている。
今頃になってやっと学校群制度という最悪な制度に対する対策が出てきた感じがする。そもそも公立の学校の質が良くて一流大学へぽんぽん入れたほうが良いに決っている。優秀な生徒であれば安い教育費で勉強が出来る。奨学金を貰っているようなものだ。私立の一貫校へ入らないと駄目なのでは今はやりの「デバイド論(金持ちは教育に金をかけられるので益々有利になり貧富の差が拡大)」に勢いを付けてしまう。しかも今の東京大学へ入ってくる学生の親は皆金持ちだ。
品川区が特区で行っている「教育改革の試み」も面白い。これは若月教育長の個人的な経験と信念に基づく異例な成功例と思う。品川区では教育に競争原理を導入して死んでいた先生の能力を目一杯引き出すことに成功した。優秀な生徒が小学校卒業と同時に中高一貫校に刈り取られるのを防止することと小学校と中学校の間にある溝とお互いの不信感を埋める方策として小中一貫校を提唱している。
文部科学省は「曲学阿世」(対世俗と対日教組)を繰り返し継続的に失敗を重ね、日本を「教育三流国」にオトシメタと言われている。資源の無い国土の狭い日本は人材で食べて行くしかないのだ。文科省はむしろ無い方が良いのかな。そんな議論が出るようでは寂しい限りだ。