ベトナム出張、ビジネスを考える！

先週後半からベトナムはホーチミンへ出張し、昨日帰国した。

今回は、オフショア開発のための新規企業を探すことを求めてベトナムへ飛び立った。

弊社では、以前からベトナムへはオフショア開発を出している。

その会社は、CMMIレベル５を取得しているほどの会社であり、設計も品質も非常に高い企業であった。

しかし、この不況のせいか、日本向けの開発事業から撤退した。

会社規模自体は大きく、撤退する判断は、非常に速く、的確であったと思う。もし、弊社がもっと大きな仕事を出し続けることができるなら状態は変わったかもしれない。

今回は、１社、非常に興味のもてる企業を見つけた。日本向けの開発を伸ばそうとしている企業であり、しかも日本向け開発に関しても、まだ小規模な事業である。

弊社がコンスタントに大きな開発を出せる訳でないのでちょうど良い。

さらに魅力的なこと

この会社の主体は、ヨーロッパ向けの開発である。開発現場を見させてもらったが、ちょうどフランス向けの開発をしていた。私自身、フランス語での開発を見たのは初めてである。

私は、アメリカが好きでいろいろと視察し続けてきているが、ここ１、２年ヨーロッパ市場にも興味をもってきているところである。

ヨーロッパはどこから進出していけばいいの？フランス、スペイン、イタリア、イギリス、ドイツ、・・・、まだ検討が付かない。

しかし、このベトナムの会社へオフショア開発を依頼することが、将来のヨーロッパ市場へ進出のきっかけにもなるのではと思ったりする。

ヨーロッパへ進出なんて夢を語ってしまったが、現実の経済不況を考える必要がある。日本のＩＴ企業は、比較的ビジネスが甘いように思う、いや、甘くても経営できている中小企業はある。

この世界的経済不況のなか、解決の糸口が見つからない企業は多い。

私は、ベトナムへは何度も出張しているが、ずっとベトナムのＩＴ業界の進化の速さに驚きながら、見てきた。

しかし、今回の出張は、違う視点で見ることができた。ＩＴ業界に携わっている人達は、ベトナムでも裕福である。

しかし、ホーチミンの市外から大きな川を挟んだ反対側の人々は、ジャングルで生活している。この写真がその人達の生活している家である。

どこからか見つけてきた枯れ木やトタンで家を作り上げている。洋服は、濁った川の水で洗濯している。川は常に泥で濁っており、トイレの廃棄物やゴミが混ざっており、我々から見るととても洗濯できる川の水ではない。

だけど彼らはここで生活するしかない。このジャングル地帯からは、川の向こう側には、都会のビルが見える。

ジャングルで生まれた子供達は、川の反対側に見える都会のビルで働くことは決してない。それは、この地域には、小学校ですらない、川を渡って住むお金も学校へ行くお金もないからである。せめて学校に行ければ都会で働くチャンスはあるのだが。

ベトナムは貧富の差は、激しい。

今回、私は、この貧しい人達のビジネスに感動した。とてもビジネスという言葉は似合わない。

しかし、どんなに金銭的に貧しい地域であっても、そこには必ずビジネスがある。

汚い川から魚をとったり、川の底から何だかわからないものをとって販売したり、雑草のようなものを販売したり、もちろん野菜ですが、本当に小さい子供に歌を歌わせてお金をもらったり、いろんなビジネスがある。

人間は環境に応じていろんなビジネスができるものである。

昨年秋にアメリカで不景気の中で儲けているベンチャー企業に感動し、何かのヒントを得たような気がしていた。

それ以来、不景気に儲かるビジネスをずっと考えている。景気の良いときも悪いときも同じ製品やビジネスモデルでは会社経営は上手くいかないでしょう。

柔軟に反応できる能力が企画力が本当に必要だと思う。

今回は、ベトナムの人達が「どうしてそのビジネスを始めたのか？」ということを考えながら視察できたことが凄く良かったと思う。

今後のビジネスに役に立つ出張だった。

kawamura