前回の続きです
「“技術者市場価格原理主義”とは、技術者一人ひとりが稼ぐ売上を“全ての評価の基準”にしてしまうことです」と前回書きましたが、これについてもう少し書きます
「技術者市場価格原理主義」・・・これは会社が「君は稼いでいるから良い社員」「君は稼いでいないから良くない社員」と売上と評価をダイレクトにつなげてしまい(悪いことではないのですが)、他の社員へのアドバイス(相談に乗ること)や技術的な指導、チームリーダーの仕事などの裏方的な仕事が評価されないことが問題であると思っています
このような会社の考え方は、社員を「自分だけスキルアップしてよい待遇を」「他の社員のことは関係ない」「会社がどうなろうと自分のスキルがあれば安心」と言った超個人主義的な考えに追い込んでゆくとことは必定です
こうなった結果、前回書きました「私の単金を決めている現場リーダが見ているから会社への報告は不要」・・・と言った考えにつながってしまうように思います(当社も反省すべきことが多いと言うことです)
「技術者市場価格原理主義」で運営されている会社は、社員自身の技術的な力が上がってゆくときは、大幅に自分の給与も上がって行くので、とても居心地がよいでしょう(スキルアップしているときはです)
社員の技術力が上がってゆくときに(スキルアップしているときに)昇給し続ける会社は、その人の技術力が横ばいになれば当然給与も横ばいにするでしょうまた、技術力が下降(知識が最先端でなる、生産性が落ちる等々)すれば給与も下がるでしょう
こういうことが理解されているのかが心配です
心配をしているだけではなく、当社では違う考え方、違う評価基準を設け、終身雇用制度を掲げて会社を運営しています
終身雇用制度なので、ずっと昇給し続けます(たぶん他のIT企業よりは昇給率は低いと思いますが)
これは社員の評価を「社員が所属する会社」がするからです
当社は、技術者が技術を使って行う仕事だけを仕事を捉えていません
一つの例ですが、チームリーダ(主任)となって後輩の面倒を見ることも実務と同等の評価をし、昇給・賞与に反映させています(社内行事への参加も会社として評価対象としています)
仕事をして行くと、仕事の中から得たノウハウが沢山蓄積されて行きます
これを後輩の社員へ継承していってもらうことも「立派な仕事」、また先輩からノウハウを聞きだす機会を作ることも「立派な仕事」と考えています(当社は部会の司会進行を新人社員が行います)
このような技術力を使わない仕事も評価対象として、より強い会社、強い組織を作ってゆきたいと考えています(最後は時間がなくなり、自社PRになってしまいました)